前のバージョンには、こう出ていました。
男性声優13人に混ぜて 14人中 6位
数字としては正しい。集めた声優のスコアと並べて、順位を出しているだけです。
これを消しました。
「プロに混ぜて、と言われても分からない」
消した理由は、見せた人からこう言われたからです。
プロに混ぜて、といわれてもなんのことかわからない
その通りでした。
順位が意味を持つのは、比べている相手を知っているときだけです。13人が誰なのか分からない人にとって、6位という数字は情報がゼロに近い。上位の人が全員化け物なのか、実は自分と大差ないのか、判断する材料がない。
しかも名前は出せません。このツールは実名を出さない方針なので、相手が誰かは最後まで明かせない。つまり構造的に、この順位は永久に意味を持ちません。
順位の代わりに何を書くか
消したあと、その枠に何を入れるかで一番悩みました。
決めたのは、こういう順で書くことです。
あなたの声はどう聞こえているか。それは何がそうさせているか。どこで効いて、どこで損をするか。
たとえば「息が少し混ざって、かすれ気味に聞こえています」と書く。そのうえで「近くで聞くと柔らかい反面、騒がしい場所では聞き返されやすくなります」と続ける。
順位は出てきません。偏差値も出てきません。自分の声がどう聞こえているかだけが書いてあります。
専門語を出したら、その場で言い換える
もうひとつ決めたのは、専門語をそのまま置かないことです。
「アルファ比が低い」ではなく「息が混ざって柔らかく聞こえる」と書く。数値そのものは別の欄に全部載せてあるので、ここでは日本語で書けばいい。
これも毎回機械で確かめています。説明のない専門用語が画面に出ていたら、そこで止まるようにしてあります。人の気をつけ方に頼ると、必ずどこかで戻るので。
数字を出すのは気持ちがいい
作っていて思ったのは、数字を出すのは作り手にとって気持ちがいいということです。
測ったのだから出したい。順位が出せるなら出したい。分布のどこにいるかも見せたい。全部「ちゃんと測っている」という証拠になるので、出したくなります。
でも読む人が知りたいのは、自分の声がどう聞こえているかの一点だけでした。測った証拠を見せることと、相手の知りたいことに答えることは、別の作業だった。
いまも音響数値の明細は残してあります。折りたたんだ中に、10項目が全部入っています。見たい人は開けばいい。開かない人の画面には出てこない。この置き方が正解かどうかは、まだ自信がありません。